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バイク乗り物知らず

新型カタナ 内圧コントロールバルブ手直しと 燃費の検証

The new Katana at Roadside Station Matsuura

内圧コントロールバルブを取り付けはしましたが、ホースの配置を不用意に変えてしまったので手直しします。

ブローバイホースの取り回しを変えると排出抵抗が増えるのか、エンブレ時のエンジンの回転の落ちが悪くなります。作業内容を画像に撮っておくのは、あとで見返してミスを見つけられるのでDIY整備には有効ですね。

Position of blow-by gas hose before installation

取り付け前の画像
ちょっとピンボケですが、元々はこのようなホース配置になっています。

Position of blow-by gas hose after construction

取り付け後
なんのホースかは分かりませんが車体に対して前に、プローバイホースは後側へ移動しています。これはこの方が組付けが簡単だったので何も考えず確認ナシに組んでしまったからこうなりました。取り付け前と比較して内圧コントロールバルブ直後のホースの曲がり具合がキツくなっているのが見えます。

GSX-R1000k6 Lift-up state of the fuel tank

これはGSX-R1000k6の整備画像です。このようにタンクを取り外さずにリフトアップ出来るようになっています。支え用のタンクステーも車載工具に含まれていました。新型KATANAもリフトアップは出来ましたけども、ステーは付属していません。

GSX-R1000k6 blow-by gas hose

R1000k6でのブローバイホースの取り回しは、電装コードの中を通してエアクリへ接続するようになっています。
なんでこんなに気にするのかというとですね、昔サーキットをR1000で走っていた時に、3速12000rpmからスロットルOFFでブレーキングってタイミングで、回転の戻りがとても悪く減速が難しい状況になってしまった事がありました。その時は原因不明でしたが、後になってふとメンテ中にホースの取り回しが無理な角度に曲がっていて、電装コードの中ではなく外側を通っていてるのを見つけました。無理に曲がらない位置に戻すと電装コードの中を通すのが正解なんじゃないか?って直した時の画像がコレです。
たったこれだけの事なんですが、高回転からのエンブレ時の回転数の落ちが悪くなるという症状は治りました。

GSX-R1000k6 blow-by gas breather filter box

ブローバイホースのエアクリ側の接続先にはブリーザーフィルタの収まる小部屋があります。このように液化したブローバイガスがトラップされていますが、これをそのままエアクリ内に撒き散らかすとインジェクターを汚してアイドリング低下病を発症します。
内圧コントロールバルブにも滞留して乳化するトラブルがありますので、NAGの現行型にはエマルジョン抜き用の負圧ホースがバルブの横についていて、インジェクターの負圧部に接続するようになっています。

GSX-R1000k6 blow-by gas breather filter element

インジェクターにブローバイガスをぶっかけるのは、R1000K5系の吸気ASSYには前述の理由で避けたいです。ブリーザーエレメントをマメに換えてきっちりココでトラップしてもらうのが、本来の構造に沿った使用法でしょう。なのでNAG製の内圧コントロールバルブは現行のものではなく、初期の物を使う方が新型カタナには相性が良いと思います。

 

KATANA m0 Lift-up state of the fuel tank

新型カタナにはタンクUPステーは付属していませんので、その辺にあったチェンジペダルのシフトロッドでUPステーにしてみました。タンクへの刺さりがちょっと甘いですが当て馬替わりに角材挟むより全然安定しています。ちょっと加工すれば安定して保持できそうです。タンクを外さずエアクリボックスを開けたり外してプラグ周りを弄ったりできそうですね。エアクリの上にはECUが載ってます。

Checking the position of the blow-by gas hose before construction

再度現物確認。やっぱり弄る前から配置が変わってますね。内圧コントロールバルブから出てすぐのホースが鋭角に曲がっているので、ココが抵抗になっているんでしょう。

Position of blow-by gas hose after re-construction

ブローバイホースを本来の位置に戻すと、鋭角になっていた曲がりは無くなりました。ホントたったこれだけのことで調子が変わってしまうので、吸気系を弄る際には慎重に作業すべきでした。

 

Case separeter AIR CLEANER

ガソリンタンクのリフトUPが手堅く出来るようになったので、社外のエアフィルターに交換したり高効率のエアファンネルに換えたりなんて具合にエアクリ周辺もカスタムできる環境にはなりました。パーツカタログでエアクリ周辺を確認してみますと、液化したブローバイ用のドレンプラグは画像のNo9。エアフィルターエレメントとともにドレンプラグも清掃しないといけませんね。ちなみにNo11はブリーザーエレメント、No2がエアクリーナーエレメント、No27のブローバイホースに内圧コントロールバルブが付けてあります。
R1000K5系からS1000系への変更点としてエアフィルター上流のダーティゾーンにエアセパレーターが付いてます(画像のNo13)。吸気抵抗をつけて約30psほど落として低速トルクを厚くしています。このセパレーターを外してECU弄れば本来の170psオーバーエンジンに戻すことも可能ですが、燃費が悪化するのでこのKATANAにはやりません。

 

View of Aso City from Kitayama Restaurant

ホースの組み直し後に実走確認すると、回転の戻りもスムーズにエンブレも柔らかくスロットルの開け始めはちょっとヌルイ感じになりました。ノークラッチでのシフトアップもダウンもニュートラル出しもバスバス決まり、自分の左足がシフトペダルそのものになって、KATANAが自分の拡張身体になったのかと錯覚するほどです。これが内圧コントロールバルブの本来の目的というか効果なんですが、今回はコレ二の次でして、いやこれ良いけども、良すぎてついついスロットル開けてしまうので、
燃費どうなるんでしょうね。

Gundam Mk2 and GSX-S1000S KATANA m0

サーキットなどでの全開全力走行でないと発生しない不具合なので、このままでも問題無いと言えなくもないです。このバルブを付けて適当なホース配置になってしまっている車両もあるんじゃないかとは思うのですが、発生状況がおおよそ公道ではありえない速度域でもあるので、不具合に気付かないかも知れません。自分は知ってたので1速辺りの低いギヤで試して「戻りがちょっと悪いな?」で組付けミスに気づいた次第です。ただこの状態でも取り付けたことによるアップデート効果は、低回転域ならあります。

 

In front of Kuroshiba Coffee

カスタム後に自分で走行ペースが作れないマスツーリングへ参加してみました。ソロツーなら24km/Lも可能な車体になっていますが、集団走行ではどうでしょうか。いざ、実践です。

走行距離:367km  使用ガソリン量:15.87L  燃費:23.12km/L

こんなスコアでした。R1000だとこの手のツーリングではどうがんばっても18km/Lが良い所でしたから、それと比較すると驚異的な燃費にはなっています。新型KATANA m0のノーマル対比では、カスタム前では燃費にして19~21ぐらいだったので、自分のペースで走れない状況でも安定して22~23km/Lが出るようになったのかな、と。

The new Katana at Roadside Station Matsuura

チェーンも換えて内圧コントロールバルブも付けたことで、KATANA m0のカタログスペック WMTC値19.1km/Lより10%以上向上していると思います。カスタム後のWMTCを22km/Lとして考えても良いなら、航続距離は260km超。であれば、まぁ今までの所有バイクとほぼ同じ使い勝手になりました。
こんだけ投資して燃費は10%向上しただけってのはちょっとしょっぱい結果かも知れませんが、今回のカスタムコンセプトは満タンからの航続距離を延ばすこと、だったので価値ある10%UPと思っています。