フロントフォークのオーバーホールを済ませたのですが、リアサスは使用距離2万kmオーバーのくたびれたモノでして、ここらで交換したいところです。
KSRの社外リアサスで有名処と言えばキタコのG235とタケガワのリアショックアブソーバー、この2つは価格と入手性に優れます。他にはYSSやOHLINS、特注品のNITRONなど探せばまだありますが、高価だったり入手困難だったりします。
現在取り付けているこのキタコのG235は、旧KSRから数えて3本目になります。タケガワのリアサスも使ったことはありますけども、減衰はノーマルよりも効いていましたがバネレートはOFF向けなのかな?柔いもので、好みではありませんでした。タケガワ現行モデルは車高調付きになってます。2つともにプリロードしか調整は出来ない価格並みのシンプルなサスです。
他に何か使えそうなサスはないかな?と他車の流用をしてみたこともあります。
KSRの後継になりますが、Z125用のリアサスを流用したことがありました。後継モデルなのにポン付けはできなくて、ボルト径がまず違っていてZ125のΦ12mm穴にはKSRの10mmへ変換スペーサーを噛ませ、上サス受けの幅違いはサス側を削って、下はカラーを合わせて取り付けました。しかし苦労して組付けたわりに調整可能な伸び減衰は全然効いてない、なんちゃってなアジャスタブルサスで残念な思いをしました。
現在はキタコのサスで落ち着いていましたが、4回もリピするのも芸が無いし、フルアジャストでほどほど価格のリアサスをもう一度探すことにします。
そこで見つけたのが、SHIFT UPから出ているグロム用リアショック。コレ流用出来そうだったので、買ってみました。フルアジャスタブルで実売4万弱、ほどほど価格です。
適合車種:GROM(JC61/JC75,HRC)
・プリロード無段階調整
・サスペンション長:245mm
・伸び側減衰14段階調整
・圧側減衰4段階調整
・別体大型圧側オイルタンク
スプリングレート:K=12.1kgf/mm(線径:9.5Φ)
KSRのサス長235mmに対して、シフトアップは245mmと10mmロングに、サス取付幅が上下共に25mm幅となっています。ネットで調べた所グロム用を加工してKSRに付けた事例はありませんでしたが、ダンパーボディがアルミ製なのでZ125用サスでやったサス受け上側を切削加工すれば、KSRにも取付は可能なはずです。下側用に必要そうなスペーサーカラーも揃えておきました。
もうリアサス抜いちゃってますが、さっそく取付作業に入っています。
作業自体はジャッキでフレームを持ち上げて、リアサスに荷重がかからない位置までジャッキUPして、抜き取ります。KSRのリアサス取付仕様は、色々とネットで調べるとサス受け上側が20mm幅、下側が30mm幅となっています。
一応寸法確認でキタコG235サスの上側の幅は19mm。20mmに対して-1mmは公差というか許容誤差でしょう。シフトアップのRサスは幅25mm。ということは、左右3mmづづ計6mmボディを手加工で削ります。
作業途中で何度も採寸して19mmよりちょっと大きいかな?ぐらいで仮付けしてみますが、まだ車体には入りません。金工ヤスリで削ること4時間。削りすぎて良い事はないので、何度も仮組しては削り、の繰り返しで中々の重労働です。
なんでこんなに頑張っているのかと言えば、サスペンションの構造が今までKSRに取り付けていたものと違って倒立式?になっているからです。オイルダンパーが上方の車体側へ来ていますので、バネ下重量が軽くなってスイングアームの動きに何か良い変化があるかも知れない、具体的には路面追従性が向上するのでは?と期待しています。
やっとサス上側が収まりました。誰もやっていない事がうまく出来た時の達成感は、DIYカスタムの醍醐味ですね。別体式のオイルタンクに繋がっているホースのバンジョーボルトが、KSRの車体のどこかに干渉するんじゃないかと思っていましたけども、意外や意外この向きでないと組み込めない専用品か、と思うぐらいきれいに収まりました。
無段階式のプリロードアジャスターはダンパー本体側の位置にありまして、出荷時の設定でプリロードは全抜き状態になっています。
下側はカラーを左右に噛ませで幅を合わせるだけなので、工作が必要だった上側と比べれば全然楽勝です。
寸法でいうと車体側30mmに対してグロム用サス側25mmなので公差-1mmを考慮して2mm厚を2枚で良いハズでしたが、2mmを1枚と1.5mmを1枚の、0.5mmだけ左右均等ではない組み合わせになっています。なぜか2mm2枚だと左右に入らないという、カワサキ車あるあるです。
ダンパーロッド最下部にはリバウンド調整のダイヤルがありまして、伸び減衰調整は14段です。
別体式の圧側オイルタンクは、ノジマのマフラーステーにタイラップで固定しました。ホースの取り回しもタイラップ芸で、どこにも接触しないように取り回しをしています。このオイルタンクにコンプレッション調整ダイヤルがありまして、圧側は4段で調整できます。
バラしていたテールカウル類をさくさく取付。サイドカウルの中には純正のマフラーが収まっていた空きスペースがあったのですが、オイルタンクを代わりに格納することになりましたので、ムダに空いていたスペースが有効活用出来ました。
グロム用サスのスプリング色はKSRカウルのオレンジと非常によく似た色でして、むしろこのKSR専用品のような一体感があります。
シフトアップのサス長は245mmなので、どうでしょうね30mmぐらいシート高は上がっていると思います。サイドスタンドも長さ調整が出来るものに以前から交換していましたので30mmぐらいでしょうか、長く調整しました。跨って動作を確かめた所、圧側も伸び側もダイヤル調整するとちゃんと効いてます。
サスが10mm伸びたことで、スイングアームは角度が付いて垂れた状態になっています。この状態に合わせてチェーンの張り具合も変わっていますので、このダルっとした状態で適正な張りになります。
さて、このグロム用のリアサスでKSRがちゃんと乗れる状態かどうかの確認と、問題無ければ各減衰アジャストを試すために軽く乗りました。
停車状態では尻上がりな車体姿勢になりましたが、シートに座るかなりと沈むので、足付きは今までとほとんど変わらず、1G'時の車体姿勢は変化ナシです。プリロードは全抜きの位置から7mmほど締め込み、圧側最弱から2ノッチ締め込み、伸び側7ノッチ締め込み、えー・・・乗る前に車庫でこんなモンかな?で適当にアジャストした値で問題無かったです。
総走行距離:39,905km
■リアサスペンション交換
SHIFT UP レーシングリアショック G-1 <グロム用を流用>
路面の凹凸を丁寧に吸収して乗り心地が1ランク上がって、軽量小排気量のバイクにありがちなバタつきというかフラフラ感というか、そういう挙動が抑えられています。プリロードのイニシャルをそれほどかけてないので、リバウンドストロークがたっぷりあって高速走行もバンク中もフラつきもなく、路面にタイヤを押し付けている感覚が増しました。でもちゃんと軽快なハンドリングです。
いやーこのサス良いです。SHIFT UP のグロム用サス流用は大正解でした。