I don't know anything other than a motorcycle

バイク乗り物知らず

ADDRESS V125G ドライブベルト 交換 白化樹脂の再生

KSR110-A1 and ADDRESS V125G CF46A

我が家にあるアドレスV125Gは、今から15年前に購入した個体です。

納車当時は自分の初代KSRと嫁のV125Gの二台で原二ツーリングに良く行っていました。それなりに弄っていたKSRよりもこのV125Gは、加速も最高速もなにもかもレベル違いの速さで、KSRに速さを求めるカスタムは無駄だと心がボッキリ折れた記憶があります。今でも近場に二人で出掛けたりします。

CF46A and CJ46A arriving at SBS Autoland

ふと気になって、アドレスのドライブベルトってどうなっているのか、嫁に確認してみたのですが、換えた記憶は無いとの事。走行距離は46,000km超で一度も換えてない?そんなことあるの?もし換えてないなら、いつ切れてもおかしくは無い状態かと思いまして、SBSにパーツ交換の依頼をしました。
通勤にも使っているので、パーツが届いた翌日に休日の朝一に預けて、昼過ぎには交換は終わりました。

Replaced drive belt and weight roller

□11482-33G00 ガスケット,クラッチカバー 1個
□21481-14F00 ダンパ,ムーバブルドライブプレート 3個
□21650-33G00 ローラ,ムーバブルドライブ 6個
□27601-33G00 Vベルト,ドライブ 1個

パーツ代は12000ぐらいで工賃入れて2万ちょっと。今回は緊急だったのでプーリーやクラッチはそのまま、チェーン駆動のバイクでいうとチェーンだけ換えたみたいな感じになります。ガスケットの破損具合から見て、駆動系は一度も開けてないっぽいですね。4万kmもベルトが持つなんてちょっと信じがたいですが、ひび割れが見える程度で交換時期ではありますけども、今すぐに切れるなどの破断ヶ所は見られませんでした。

V125G CF46A pulley cover

プーリーなどの駆動系を収めているカバーは15年の歳月で白く粉吹いて酷く劣化しています。正直この状態だと触りたくない。ちなみにV125G k7 CF46Aのベルト交換サイクルは2万kmごと、になっています。

SBSでアドレスV125についてお話を聞けました。
型番で言う所のV125GのK7、2007年モデルのCF46Aは排ガス規制前のパワーが出ているモデルになりまして、中古市場でも人気の車種だそうです。アジア圏のバイヤーから買い付けが入っていて、国内からどんどんCF46Aが輸出されています。2023年から振り返ると2007年製ですから、16年も前の中古で距離もソコソコ行ってる車体に20万以上の値段が付くってのにはそういう事情がありました。
ついでに、新型カタナのM2モデルはオーダー入れても1年後にしか入庫はしません、と。スズキは日本国内では大型バイクを売るのを見限ったのでしょうか。まぁそんなに数は売れないしね。

てな、やりとりが年末に御座いました。

ADDRESS V125G rear fender and two-class identification card for moped

そんな希少車種になるなんて思ってもみなかったので、ちょっとはメンテしようというやる気が湧いてきました。年末年始、とくにすることもないし。
まずはインナーカウルやリアフェンダーなどの樹脂カバー類の劣化をどうにかしてみます。安い中華インナーカウルキットがありましたけども、それと交換するとなるとこの今付いてるカウルは破棄することになりますが、そういう粗大ごみを捨てるのがめんどくさい。ということでインナーカウルを再生することにしました。
リアフェンダーの原二三角を剥がしてナンバーも外します。

Sanding curing of tail side cowl

テールサイドカウルに養生をしてシート下からフロアボードまで、この粉吹いて更に劣化して剥がれ落ち始めた樹脂パーツから脆化層を削り落としてみようと思います。ある程度削ればまだ中に生きている層が残っているだろうから、その辺りまでサンドペーパーでひたすら削り落とします。

Sanding construction

樹脂の粉がとても身体に悪い気がしたので、屋外で水を掛けながらサンディングします。削れ粉が舞い上がったりして屋内で作業はしていられません。ヤスリ目としては100番ぐらいの目の粗さで作業はしています。当て方で力加減を調整します。
しかし、この削った状態を見るとなんかやらかしてこのカウルはもうお終い、な感じがしますね。

Sanding construction of air cleaner box and drive system cover

エアクリボックスや駆動系カバーは形が複雑なのでペーパーの手削りでは時間がかかりすぎます。多少の傷には眼を瞑ってワイヤブラシ付けて電動ドリルで一気にガーっと一枚表層を剥きました。手でやるより圧倒的に早いですねぇ。

Floorboard sanding status

一応純正のコーションステッカーも養生して、これはこのまま残します。純正パーツが生きていて未だに使えているという主張のようなものです。
取り切れてない劣化層が白く残っていますね。頑張りすぎると以降の工程がうんざりしてしまうので、手間暇が許容できる範囲の作業しかしていません。心が折れたらゲームセットなのでイイところでやめとく、というのか大事です。

headlight polishing

つか、もううんざりしてきたので別の作業を挟みました。黄色く日焼けしたヘッドライトレンズをさっと磨いて満足感を得る。左が作業前、右は作業後、結構変わりますね、磨いて良かった、ヨシやる気出てきた。

WAKO'S resin durable coating agent

生きている樹脂層を表に出したので、ワコーズのスーパーハードで再生してみます。マット調のインナーカウルなら磨き傷が残っていてもフラットに仕上がるので傷が紛れて分からなくなるのではないか、という予測の元に作業を続けます。ここまでひどく劣化して、それを削ったパーツに試したことはありません。やった結果があまりにみすぼらしいなら、その時は中華インナーに換えましょう。

Application of coating agent to the drive system cover

駆動系カバーにスーパーハードを施工。しっとりとした艶が出てしまいましたがワイヤーブラシの削り傷はそれほど目立たず、自分的には十分許容範囲な仕上がりです。ケボケボに劣化していた施工前の画像と見比べていただければ、もうこれで良い、となるのも分かるかと思います。

Application of coating agent to the air cleaner box

エアクリボックスはなんか不思議なエンボス模様が付きましたが、白化してるのよりはマシでしょう。思ったほど良くなかったのはリアフェンダーで、スーパーハードがあまり効いてないです。ココ昔バナー炙りってのを試したんで、樹脂の奥まで死んでるんでしょうね。樹脂本来の色味が還ってきませんでした。

Floorboard coating agent application status

インナーカウルをサンディングした時は終わったかーと思いましたけど、スーパーハードを塗布すると表面に艶と樹脂の色が戻ってきました。フロアボード周辺は劣化部分の削り残しがありますけど、これは16年分のウェザリングということにしておきましょう。

ADDRESS V125G genuine mirror arm rust removal and painting

純正ミラーもアーム部分に錆びがありますので、ワイヤブラシでザッと錆び取ってシャシーブラックで塗装します。

ADDRESS V125G Genuine muffler rust removal

無塗装樹脂の再生にスーパーハードが有効だったので、かなりモチベーションが上がりました。やる気のあるうちににマフラーの錆びも落として簡単にミラーと一緒に塗装します。

ADDRESS V125G genuine muffler painting

手持ちのシャシーブラックをこのマフラー塗装で使い切りました。缶スプレーの最後の方は噴射が安定せずに塗装ムラが出来ましたし一部タレてる所もありますが、場所がエキパイで目立たないので、まぁ錆びてさえいなければ良いかと。
無塗装のインナーカウルも再生したとはいえ、近くで見れば劣化の削り残しがあったり、と綺麗なレストアとはいきませんが、アドレスの白化樹脂再生でなんとなくコツが掴めました。スーパーハードは樹脂の表面再生にも使える。

ADDRESS V125G CF46A exhaust side

屋外で遠目で見る分にはインナーカウルの色味は新車時に戻って、粉吹いてる状態よりはマシになりました。白化樹脂パーツの再生には、バーナーで炙る・塗装する等色々ありますが、炙っても樹脂そのものはそのままなのでいずれまた白化しますし、塗装は剥げ剥げになってみすぼらしくなります。劣化部分を削ってスーパーハード施工に勝るものは無いと思います。KSRの無塗装樹脂にも艶ありですが使っていまして、PP樹脂に塗布すると表面が良い意味で変質しているのではないでしょうか。でないと10年以上も色と艶が保ててるPP無塗装樹脂なんて無いですからね。

ADDRESS V125G CF46A swing unit side

総走行距離:46,503km
□ ドライブベルト・ウエイトローラー・ダンパムーバルブ 交換
■ インナーカウル 樹脂外装パーツ 白化対策

アドレス V125Gが出た当時は、原1クラスの車体サイズに原2のエンジンを積んだ狂ったスクーター、という評判でした。装備重量91kgに11.4ps…原1並みの軽さにこのパワーなので私もそう思います。今時の原2クラスはパワーに見合ったしっかりした車体作りになってまして価格もそれなりです。環境性能やABS等の補機も搭載が義務化されて、これからの原2は重量が重くなる一方ですから、原2シティコミューターカテゴリにはV125 CF46Aが一度その山の頂に居た・極まった、という印象を持っています。

September 2009, KSR110-A1 and ADDRESS V125G CF46A in front of Hirado Bridge

と、今気づきましたけど、そうかーKSRよりも4kg軽いのに出力3割増しなのか。そりゃ何やっても勝てるわけないわー