I don't know anything other than a motorcycle

バイク乗り物知らず

新型KATANA タンデムステップスライダー の自作と 引き返すライテク

The new Katana at Roadside Station Yufuin

マスツーに参加したある日のこと、なんてことない右コーナーで盛大にトラコン効いてタコ踊りました。

落ち葉か浮き砂でも踏んだんだろうか。トラコンありがとう。
そして自分はフルフェイス専用にメガネを別途用意して使っているのですが、そのメガネのテンプルがメットをかぶってる最中に折れました。・・・なんだか嫌な予感がして、そのツーリングは途中で抜けてさせて頂きました。

Stop at Hogi Hogi Shrine on Mass Touring

こういう虫の知らせというか、暗示的な事柄やその時の心象って結構当たると思います。つまり、今日はコケそう。ここでやめとけ、とKATANAも言ってる気がしました。ゴーストがそう囁いている、とでも思ってもらえれば良いかと。

ってなことがありました。

OVER RACING tandem step slider  ※The image was borrowed from the OVER RACING website.

先日のこともあるし、嫁もMT-07を倒してしまったし、何か厄払い的に転倒対策します。この画像にあるOVERのタンデムステップスライダーなんかお守り替わりに付けるにはよさげだなぁと思いましたが、エッジが効きすぎてちょっとKATANAには似合わなさそう。

Drilling of tandem steps

とは言え、タンデムステップにスライダー付けるぐらいなら似たような物は作れそうなので、スライダーもどきを自作してみます。良い塩梅の位置に墨出ししてセンターがズレないように電動ドリルで穴をあけて行くと、なんか当たります。当たる所で止めつつドリルで穴を拡張していきます。

6mm tap on tandem step

続いて6mmでタップをたてます。取り付ける予定のスライダー内径は8mmなのですが、タンデムステップへの穴あけ加工は小さい方が良いかと思いまして、保持を6mmボルトで行うようにしました。6mmボルトでは一回転んだだけでダメになるでしょうけど、スライダーって1回で終了するモノでしたっけね。

Tandem step disassembly

当たる音が気になったのでバラしてみると、ステップの位置決めボールと押し付けテンション用のスプリングが収まっている部分に横から穴あけしてました。何かに当たる感じというのはドリルの刃先がスプリングへ接触していた音だったんでしょう。スプリングを切断してしまう前に止めて良かった。中のスプリングとボールは一旦取り出します。

Machining of tandem steps

純正の形状そのままに穴を開けただけのステップではスライダーと干渉する部分がありますので、金切りヤスリでゴリゴリ削ります。アルミは削り加工が簡単で、手作業で出来るので助かります。ダイソーのヤスリで作業時間にして1ヶ5分ってトコでしょうか。

Painting the tandem steps

削りっぱそのままも良いですけど、一応塗装します。シャシーブラックはこういうちょっとした塗装に便利で、簡単に脱脂しただけ下地処理ナシでドバっと厚めに吹いとけばそれなりに保護してくれます。一家に一本あるとDIYが捗ります。

Installation of HARDY bar end slider Left side of vehicle body

8mm→6mm変換カラーを使って6mmボルトでスライダーを取り付け。何かパーツを後付けする場合に接続部分の仕上げが適当だとカッコ悪いので、カラーを噛ませて取り付けるようにします。モノはHARDYのバーエンドスライダーを代用しました。
転倒時にココが削れて滑ることで横方向にひっくり返る力を逃がしてくれる・・・と良いのですが、どうでしょう。

nstallation of HARDY bar end slider Right side of car body

スライダーを付けても純正の可倒ギミックを妨げてはいないので、タンデムステップとして使用できるようになっています。マフラー側にも取り付けしますけども、スライダーのサイズ的にも取り付け位置的にもサイレンサーは守れない感じですね。右にコケたらサイレンサーは諦めるしかなさそう。

Replace split pin with R pin

ステップを止めている割ピンはRピンに換えました。
タンデムステップスライダーは意外と簡単に出来ましたが、まぁ、スライダーが活躍するようなことにならないのが一番でしょうか。たぶんタンデムステップは転倒の衝撃を受けると、今回の穴あけ加工位置から折れると思います。

KSR110pro genuine parts clutch cable boots

KSRクラッチケーブル交換で余分に頼んでしまったケーブルブーツが余っています。滅多に使うものでもないけど、何か活用方法を考えませんと・・・ということで閃きました。

KATANA M0 clutch release side

新型カタナもですが、R1000K6の頃からクラッチレリーズ側はケーブル剥き出しでした。R600のレリーズアームに換えてることもあってケーブルの引き位置が斜めになってまして、ケーブルアウターに一部が必ず接触します。ケーブルにはマメにグリスアップしていますけども、ここにケーブルブーツを被せてグリスを封入しておけばケーブルへのダメージ軽減になるはずです。

Installing the clutch cable boot

指先がどうにかなるかと思うほど指筋力を駆使して、ゴムブーツを伸ばして引っ張って強引に通しました。指紋無くなりそうで指が痛い。ブーツの素材はゴム系なのでドライヤーで温めながら作業すればもっと簡単に出来ただろう、と後になって気づく。

Assembling the clutch release arm

レリーズアームを組むとクラッチケーブルの歪んだラインがケーブルブーツで可視化されて、曲がってるのが分かりますね。ケーブルエンドを咥えるアームの位置がケーブルが伸びる方向と違うため、このように湾曲して見えます。中にはグリスをたっぷりと詰めて、スムーズな動きを担保してもらいましょう。

Installing the tandem step slider and cable boot

今回は自作したタンデムステップスライダーとケーブルブーツの取り付けという、とても地味なカスタムです。自分のKATANAはカラーアルマイト盛り盛りのキラキラ系カスタムバイクにはしない、というのが弄る際の基本的な考え方で例えるなら純正風味、でしょうか。KSRは逆に換えたパーツをひけらかすかのように誇示する方向性です。

Katana M0 in the Koishihara traffic park

カスタムパーツはエッジが立っていて純正パーツとは線が違いますから、考えなしに付けるとそこだけギラついて悪目立ちします。新型カタナはカウルデザインが個性的過ぎるので過度なドレスアップは控えた方が良いんだろうけど、ノーマルのままでは野暮ったいスズキ臭がするのも事実で、ついつい弄りたくなる気持ちが暑苦しくならない加減でやめとくのが良いかなぁと思います。

GSX-R1000k6 on Tenzan trail

長い事バイクに乗っていますが、ツーリングに乗り出してはみたけれどなんかバイク楽しく無いな、と感じたら無理して乗っても良い事ないので、ペースを落とす・停める・休む・なんなら帰る、引き返すのもライディング技術だと思います。バイクのトラブルか、体調不良の何かか、ありがちなのが乗り方が知らずに粗くなっていたり、と普段と違う異常を無意識の内に嫌忌として感じている気がします。

オカルト的な話ではなくて、受動意識仮説にある「無意識の小人たち」からの警告かもしれません。
Humans Could Run 40 mph, in Theory(人間は理論上時速 40 マイルで走ることができる)
とありますが瞬間的な最高速で約64km/hです。それが人の身で至れる最高速度ですから、そこまでの認知能力・反応速度しか人体には備わっていない、と考えるのが妥当です。それを超えるライディング中に処理しなければならない情報は、脳内でどうなっているんでしょうね。

顕在意識のエピソード化では思考速度が追い付かず、全てを拾えないので情報は間引かれて、省略された情報の中に喜ばしく楽しいものがあれば達成感満足感として、危険なものがあると嫌忌感として、非言語の情動だけが伝わる、とかがありそうな話です。
それを軽く考えて強行すると、そういう時に限って事故るもんです。

Katana M0 and MT-07 standing in front of the Sasebo log kit

ソロツーならちょっと休憩してみたり、それがマスツー中ならもう帰っちゃった方が良いですね。嫌忌の原因は言語化できない何か、なので出先では分からないものです。こんな不条理な状況に陥ったなら、引き返すという対抗手段をライテクの1つとして持っておけば、不合理な乗り物であるバイクとでも末永く付き合えるようになると思います。
マスツーでも途中離脱するメンバーさんは引き留めませんね。他のライダーさん達も同じような感覚と技術をお持ちだと思いますし、無理強いしてそれで事故られたら責任とれるの?って話になるので。

さて、タンデムステップスライダーは無事故のお守りになってくれるでしょうか。活躍することなくお飾りのままでいて欲しいものです。