新型カタナは、カスタムというほど大層なものではありませんが、自分でシートを加工しています。
某中古パーツ店でカスタムされているっぽいシートの出物がありまして、どんな加工なのか興味もあったので入手しました。まぁ、安かったんですが。画像の上側にあるのは、予備で保管しております何も手を加えていない純正シート、下側が今回入手したカスタム?シートです。
このカスタムらしきシートは、サイドエッジを落として足付きが良くなるように加工されていました。他にも色々なモディファイが施されていますが、その細部の仕上がりは素人仕事に見えません。
、、、これはプロのシート職人の作ではないかと。
購入したカスタムシートには、車体に組み込む為の金具やタンデムベルトなどのパーツが付いてなくて、シート自体も使用の痕跡がまったくない仕掛品のような状態でした。座面の平面の出し方や表皮の張り具合にタッカーの打ち込み具合など、自分でシート加工したことがあるからこそ分かる丁寧な仕上げです。「カタナシート加工」でGoogle検索すると、上位に出てくる業者さん作のものではないかと思いますが、確証はありません。
無加工の純正シートから必要パーツを付け替えて、手持ちのシートを3つ並べてみました。
左からパーツ取られた予備の純正シート、中央は現在使用中の自作加工シート、尻で磨かれて艶が出てるので使ってるのが分かると思います。右が今回購入したカスタムシートです。バイクは一台なのにシートは3つもある、と変に思われるかもしれませんね。
これは前に乗っていたR1000K6用に、自分の乗り方に合わせて作成した自作のライダー側シートです。昔からなんですが、所有してるバイク用に予備シートと合わせて3つぐらいはありました。KSRも自分で弄った奴と合わせて3つありますね。
バイクは腰で乗る乗り物でもあるので、シートも自身の身体に合わせて調整する必要があると思います。バイクカスタムパーツ業界では、ステップやハンドルほど重視してるようには感じられないですね。弄っても見映えは地味だからか。効果バツグンなのに。
さっそく取付。
新型カタナはデザインのバイクなので、シートにもカウルデザインと整合性の取れたエッジが強調されていますが、実際に乗るとコーナリング時の尻荷重(シートワーク)時にこの角が引っかかってやり難い。
なので自作の加工シートでは、デザインを崩さない範囲でシートのエッジを落として尻移動しやすく、腰も後ろに引けるように削り込みをしています。一方このカスタムシートでは、エッジは完全に削ぎ落して形状そのものはオリジナルになっています。
取り付けてて気が付きましたが、タンデム側の銀のシート表皮は純正の銀色PVCではなく、表皮の質感が違う革シボのものに貼り替えされています。さらにシートエンドには「刃」の型押し(デボス)加工が施してあります。まるで純正品のようなクオリティなんですが、純正は横三本線のデボス加工なので、ノーマルシートでは無いです。
でも、この刃デザインはどこかで見たことがありますねぇ・・・
□新型カタナ用の純正アクセサリー:カラードシート
新型カタナ純正オプションの、カラードシートがこんな作りでした。赤の100台限定モデルのシートも同じような「刃」が型押し加工された別注シートでしたね。もしかしたらこのカラードシートをベースに銀の革シボに貼り替えて作成したのでしょうか。
思ってた以上に手間のかかる加工がされてました。部分貼り替えなんて、素人には出来ないです。
そんな手間と金をかけたシートでも、自分はシートバッグ付けて乗っちゃうのでせっかくの刃のデボス加工は隠れて見えなくなります。
ライダーシート側の形状をこんなに変えているのに、テールサイドカウルとタンデム側の銀革表皮のツラがピッタリ合わせてあります。ノーマルシート表皮をそのまま貼り替えただけではこうはならないので、縫い付ける位置も変えてあるんでしょう。これはオーダーしたらいくらかかるのか、それ以前にこの仕事受けてくれるシート屋さんがあるのか、ちょっと知りたいですね。
さて、嫁に付き合ってもらって、このカスタムシートの使い心地を試してみましょう。
足付き具合とライディング中のシートワークのやり易さは、自作加工シートとほぼ同じでした。シートを自分で加工したと言ってもウレタンを削るだけでしたが、このカスタムシートはシート厚を盛っているんでしょうね、座り心地が肉厚で尻に優しいです。ライダー側のエンド部分はシートストッパー的に尻が収まるような追加加工が施してあってフル加速にも対応、着座位置が少しだけ後ろに変わっているようで、腰への負担も柔らかく無理のないライディングポジションで腰回りが疲れません。
素晴らしい出来栄えです。
モノは大変に良いのですが、タンデムシートの銀の色替え部分が自分の黒カタナとは合わないので、このまま使用するのはナシですね。かといって自作シートのように黒い表皮を被せ貼りするのはこのシートを作った職人さんに失礼なので、このカスタムシートはいつか黒に飽きて銀カタナに戻すときの専用シートという扱いにして基本的には保管、としましょうか。
長距離の泊まりツーリングなんかだと断然このシートの方が良いので、状況に合わせて使う、みたいな感じになると思います。良い買い物をしました。