たぶん今回でメンテの沼から抜け出せる。気になってしばらく放置していたチェーンの交換をします。
ずっとKSRにはRKのシールチェーンを使っていましたが、EKチェーンからもシールチェーンが出ていたのでまずは使ってみます。
EKチェーン QXリングチェーン 420SRX 102L
スプロケットを純正から変更してますのでリンク数は102L必要です。端数リンクもEKチェーンだとラインナップされてるので、RKチェーンのように多めに買ってチェーンカッターでリンクを切らなくて済むのは良いですね。手間が省けて。
クリップジョイント式は交換作業が楽なのが良いです。このRKチェーンで距離にして12,000km乗りました。キンク部分が無ければまだ使えたと思いますけど、画像の通りどこかのタイミングでチェーンルブ切れの際に内部に水が浸入したんでしょうな、コマの内部が錆びてました。
フロントスプロケット周辺に錆汁が巻き散らかされたように毎度汚れていまして、コレにはうんざりしました。前後スプロケットは前回の点検でまだ使用できそうなので続投しますけども、折角なので綺麗に清掃してから新しいEKチェーンに換えましょうか。
EKチェーンかなり良いし102Lで5000円しなくてコスパ高いしもっと出回ってても良いのに、店頭でもあまり見かけないなーと思っていましたが、なくとなく理由が分かりました。単なるクリップジョイントではなくて、プレートを圧入するタイプのチェーンだったんですね。箱の取説みたらそう書いてありました。
ペンチ一本でチェーンを組付け出来るイージーさがクリップジョイントのメリットなのに、ひと手間がかかります。プライヤーで挟め、としか書いてないけども取説として不適切な気がする。6mmのナットでプレートピンの逃げスペースを作ってナットごと口の広いプライヤーで圧入してピンを突出させからクリップで固定します。
ペンチでアウタープレートを一生懸命挟んでも全然圧入できないので5分くらい悩みましたが、そこにあるもので出来ましたね。モノは良いと思います。まずシールチェーン独特の曲がりにくさ・抵抗が少ない。持った感じRKチェーンより軽い。インナープレートに肉抜き穴が施行してあって軽量化してますね。アンダーパワーの小排気量車に駆動系の軽量化はとても効果的です。
色はメッキ処理もなにもしてないスチールです。錆びたら容赦なく削り落とせるのが強みでしょうか。ぱっと見ノーマルのスチールチェーンに見えて実は低フリンションの軽量シールチェーンでした、ってのが地味にやらしいと思います。
さて、一応やらなきゃいけなかったメンテはこれで終了しましたが、この間の雨の夜間走行で全然ドコ照らしてるのか分からなかったヘッドライトをLEDライトに交換したいと思います。ただ一筋縄ではいかないのがKSR。
メインキーONで灯火類はブレーキやメーターのインジケーター以外は点灯しないけど、エンジンがかかると点灯します。このエンジン始動と連動している灯火類は、KSRproでは直流ではなくて交流で駆動しています。で、交流でLEDは駆動しませんから交流対応と謳っているLEDキットでないとKSRproには付きませんし、AC/DC変換コントローラーが配線のどこかに別付けされています。この変換コントローラー無しでLED灯火を直付すると、ものの数秒で焼ききれますかね。
ですので、ブレーキ/テールライトの球だけLEDに換えるカスタムは出来ないし、市販の汎用LEDテールライトも使えません。
私も電装系はさほど詳しくないですが、バイクのバッテリーは直流12.3Vで、エンジンに発電機がついてて交流で発電、それをレギュレーターかなんかで直流14.3V以下に整流して電装系に使っている、そんなざっくりとしたことしか知りません。
交流をそのまま使うバイクは50ccとかの発電量の小さい車種で、エンジンを使って発電するのだから当然発電によるパワーロスがあります。なので交流電源をそのまま使えばパワーロスをいくらか減らせるし電源リソースにも回せる、とある意味合理的な設計をしています。ハンターカブかなんかもコレだったかな。
KSRproも全波整流化や灯火類直流化などのカスタムはあります。が、当然デメリットもありまして、少ない馬力を発電に食われる、バッテリー充電が不足気味となる、ライトが暗くなる・エンジンの回転数に合わせて明るさが変化する、などメーカーが回避したリスクをオーナーがわざわざカスタムして背負い込む、ってのはしたくはないですね。
KSRproの交流は最大±60V以上の電圧がかかっているようですが、あくまでこの大電圧は瞬間的なものでアナログなハロゲン等の電球は直付けで使っても問題なく耐えられるそうです。LEDはそうは行かず制御された電圧の基盤上で駆動するチップなので、交流を直流に変換しつつ±60V以上の電圧容量を持ったコントローラー付きのLEDキットでないとKSRproでは使えません。
という事情で灯火類のLED化をしませんでした。フェンダーレスキット付属の専用LEDライセンスランプでないとすぐに焼き切れていたので、調べて以上のことが分かってKSRproの電装系は結構めんどくさい事になってるな、と思っていました。そしてLEDコントローラー実装のテールランプキットは現在も無いのでテール一式は純正のままです。そんなものはいつまで待っても出ないでしょうなぁ。
そして時間は流れ、ふとKSRproにも使えそうなLEDヘッドライトキットが出てました。2019年発売だそうで、買ってみました。
SPHERE LIGHT スフィアライト LED RIZING2 HS1 4500K(サンライト)
ルーメン: 1800lm
消費電力: 18W
動作電圧: DC 6〜16V AC 160V
カラー: 4500K(サンライト)
交流電源を直流に変換するコントローラーが最大160V対応ってことなので、KSRproでも使えそうです。pro用専用キットってのもあるのは知ってましたが2万以上するのは高すぎ、そんならハロゲンでイイわってなりますけど、このスフィアライト RIZING2って1万ぐらいです。中華LEDだと1/3の価格で売ってますからそれからすれば高いけど、直流/交流兼用で耐電圧160Vなんてのはないから、そもそも比較にすらなってないか。
ということで取り換えです。さようなら35Wハロゲン球。しかしこのLEDライトキットの信頼性と耐久性が分からないから、焼き切れたらすぐにお声がかかりますよ?キットの配線も純正ハーネスに噛ませるだけで加工はしないので、キットを外せばすぐにノーマルに戻せます。出先で壊れた時の事を考えるとハロゲン球だけ車体のどこかに隠しておくのも保険しとてアリかも。
ゴムカバーの外に放熱するためのヒートシンクを露出させて組付け。カバーに穴開け加工が必要で、あけてしまったカバーに塩ビシートで簡易な防滴防水的なことをしてます。開けすぎました。
KSRにもライト周辺には元々防滴ゴムシートが組み込んでありますから、そういうのを上手いこと配置して上からの雨水浸入を防いでみます。効果があるかは、ちょっと分からない。
ライトケース内のLED発光部分にも長さ的な余裕が十分あります。一応マルチリフレクターになってるので下側に発光部分カバーがある取り付け方で良いハズ。ライト先のカバーがある方はロービームで、何も覆われていない根本側がハイビームなんでしょうかね。
メーターベースの下に配線をまとめて、コントローラーをタイラップ止めで固定しましたが、画像撮り忘れました。ライトカウル内部にはまだまだスペースに余裕はあって、そんなに詰め詰めに配線をまとめなくても良かったかもです。
配線してカウルを仮組して点灯チェック、ハイビーム・ロービームの光軸を確認して、とりあえず一番下に光軸調整しました。昼間なんでいまいちわからないけど、消費電力18Wなのにすごく明るいのは分かった。サンライト(太陽光)というけどめっちゃ白い。あと左側にスポッライト的に上方向に照らしてしまう範囲がありますね。歩行者側だから注意喚起としてはアリなのか。さて、実走して高回転の発電圧で焼き切れないか試します。
100kmほど走ってみましたが、アイドル時にすこしチラつくぐらいで走行中の動作に怪しい所はなく、エンジン回転数が上がるとLEDユニットが安定駆動をしてチラつきも消えますね。トンネルをわざわざ通って照射範囲を確認したり、照らす範囲が手前すぎたので遠目に微調整したりします。信号停止で前の車のNoプレート辺りにカットラインがかかる位置に合わせまして、これでLEDライトは問題なさそう。あとは耐久性か。
EKチェーンは・・・交換したばっかなので良いのは当たり前でしょうか。
総走行距離33,750km
フロントタイヤ 100/90-12 49J BATTLAX BT-601SS YCY 交換
リアブレーキフルード 交換
チェーン EKチェーン QXリングチェーン 420SRX 102L 交換
ヘッドライト スフィアライト RIZING2 HS1 4500K 交換
エアクリーナーエレメント 清掃
試し乗り127.6km走行でガスは3.28㍑消費、燃費は38.90km/㍑。VM26だと軒並み32とかの燃費スコアなのでかなり良い方でしょうかね。CDIチューンの勝利かな。
ここ1ヶ月で一気にメンテ・カスタム・交換モノを片付けましたので、車体回りや見た目などかなりシャキっとリフレッシュしました。まだしばらく乗り続けられます。