I don't know anything other than a motorcycle

バイク乗り物知らず

新型KATANA 内圧コントロールバルブ取付け カウルの脱着

GSX-S1000S KATANA m0

チェーンをダウンコンバートした割に、思ったほど燃費は良くはならなかった新型カタナさん。

もちろん換えた効果は有りましたし、燃費も前より悪くはなっていません。もうひと押し何か必要でしょうか。今すぐに出来ることでひとつ策があります。

 

internal pressure control valve

かなり古い物ですが、GSX-R1000K6に付けていた内圧コントロールバルブが手元にあります。取り外して保管しておりまして、どうでしょうねぇ・・・2008年ぐらいのモノでしょうか。動作確認するとちゃんと動くので、しっかり作られた製品って耐久性かなりのものですね。R1000K6では意識していませんでしたが、そういえばコレを付けてから燃費が若干向上してましたね。今思えばって感じですが。
本来はエンブレの軽減とスロットル開け始めでガッと前に出過ぎるのを穏やかに抑える目的で付けるカスタムパーツです。スロットルのツキも良くなってノークラでのシフトアップもダウンもやりやすくなります。燃費向上にも効果があるんじゃないか、ということでKATANAm0にも取り付けてみます。

 

Remove tail side cowl

内圧コントロールバルブはエンジンのクランクケースから伸びるブローバイホースへ取り付けるので、ガソリンタンクの下側にアクセス出来るまでカウルを外していきます。サービスマニュアルは見てないけど、こういうのは前か後ろのカウルが抑えになってて、あとはカウルをはめ込んで要所はプッシュリベット留めになってるモンです。
見えるビスやボルトにプッシュリベットなんかを外して、パーツの噛み合わせと差し込み凸を引き抜いて取り外し。
シートサイドカバーは差し込みとテールサイドへの噛み合わせにプッシュリベット1ヶで付いてました。

 

fuel tank cover fuel tank side cover Bolt

ライトごとアッパーカウルも外すべきでしょうが、めんどくさいので一部リベットを外して隙間を広げてタンクカバーのボルトを外します。六角ボルトの上がタンクカバー、下はタンクサイドカバーで、+ビスは外さなくて良いです。四角の凹穴はアッパーサイドの凸用ハメ込みなのでカウルを割らないように引き抜きます。

 

fuel tank side cover

タンクサイドカバーは3ピース構造になっていて、タンクカバーへ組木細工のようにサイドカバー本体を噛み合わせて保持しています。サイドカバーの分割最上部がロックになっているので先に分解してから、サイドカバー本体を外します。ずいぶんと凝った作りをしていますがチリもぴったりとはまって、スズキにはあるまじき精度の高さでちょっとびっくり。社外デザイン製だからなのか、この辺りの造形に関する部分には妥協がないって感じです。

 

fuel tank upper side cover

タンクサイドカバーが外せました。脱着方向は車体後部へ引くと噛み合わせが外れます。組み付けでは抑えながら車体前方向に滑らせると噛み込んでロックされます。ガソリンタンクが一部見えていますが、タンクの上にかぶせてあるタンクカバーはタンク側の丸いヒンジがカバーを噛み込んで抑えているのに注意です。ココ、組む時に忘れがちなので。
タンクカバー自体は見えてるボルトとリベットを外せば簡単に取れます。

 

stripped state

馴れればここまでバラすのに10分かからないんじゃないでしょうか。ガソリンタンクのお目見えですけど、タンクカバー内部にはまだまだ空きスペースがあってもうちょっと頑張ったらタンク容量は稼げるんじゃないでしょうか。ハンドルが干渉する部分はほぼカバーのみで中には何もありません。タンクカバー側に隙間の位置を合わせて、普段弄らない後付けパーツを格納するのも良いでしょう。

 

rear of fuel tank

ガソリンタンク後ろのインナーカバーが妙な造形になってます。フラップ状に隙間が作ってあって、直前にはタンクの後端が来てます。これはR1000系に良くあるタンクリフトUPの為の逃げスペースじゃないかと思います。ガソリンタンクはホースを外して一旦は車体から取り外さないと作業出来ないかと思っていましたが、こういう風に作ってあるならホースを外さずにタンクを持ち上げるだけでクランクケース上部へアクセス出来そうです。

 

lifting fuel tank

ガソリンタンクのリフトUPは出来ました。支えにはその辺にあった角材で支えています。脱落が怖いので養生テープでテンションかけて貼りつけてますが、力を入れたり車体を揺らすような作業はダメですね。いずれ何か保持方法を考えますが、今回はブローバイホースの付け外しだけなのでこのまま進めます。

 

blowby gas hose

クランクケース上部にある目的のブローバイホースはこちら。このホースはエアクリーナーボックスに繋がっていて、クランクケース内部のブローバイガスを抜く為のホースです。エンジンが高回転になるとピストンの隙間から抜けてくる未燃焼ガスの量も増えて、クランクケース内の気密圧も高くなります。高圧の中でピストン運動すればそれだけロスが出ますので、圧をエアクリ側へ抜いてロスを減らす仕組みのモノです。

 

Blow-by gas hose and internal pressure control valve

ブローバイホースを取り外しました。左がKATANAのもの、右の短いのはR1000K6のもの。この内圧コントロールバルブはエアクリ側ではなくエンジンのクランクケース側に出来るだけ近い位置に組み込みます。純正でもブローバイの気液分離室がクランク側に仕込んであって、内圧コントロールバルブと同様の仕組みが既についています。なのでこのバルブは排出強化の追加装備みたいなモンです。

 

Installing the internal pressure control valve

ブローバイが抜ける方向を間違えないように矢印書いてます。これ逆に組むとエンジンのガスケットとか抜けて壊れますので、現場猫事案は回避したいですね。R1000のエンジン周りと比べて、若干レイアウトが変わっています。エアクリのセンター付近にブローバイホースは繋げるように変わっていました。

あとは外装カバーを元通りに組んで出来上がり。

 

New Katana on Sunset Road

取り付けた内圧コントロールバルブの効果が体感できるか、と言われれば、乗り出しの一番最初は分かりますが、すぐに慣れてしまって付けた事を忘れる程度の体感です。それでも外すと逆に付けてた事を思い出すぐらいに効果はあります。
で、燃費に対しての効果なんですが、燃費が伸びるというより低燃費で走れるシチェーションが増えた、という感じになりました。高速道で100km/hキープ加速も減速もしない走行条件だと燃費計の表示ではリッター30近い値になりますが、アクセル開ければ当然燃費は悪くなるし、道路の登り勾配でも同様です。

 

Ikitsuki Bridge and new Katana

結果から言うとチェーンのダウンコンバートも同じようなことになりまして、燃費が目に見えて改善するという事ではなくて、低燃費で走れる場面を広げてくれるようになりました。どうもベースのK5エンジンは素性としてどんなに低燃費化を進めてもリッター24km前後が限界で、そこからパワーを使った走りをすると燃費と引き換えになる、というモノなんでしょう。なんか当たり前の事を言っていますねぇ・・・

そして、エンブレ時の回転の落ちが悪くなってましたので、もしかしてーと思って作業内容を確認してみたら、組付けミスがありました。またカウル剥ぐって手直ししますけども、新型カタナのカウルはバラすのはそれほど難しくないので軽い気持ちでバラしは出来ます。ECUも弄りやすい場所にありましたね。